白い封筒

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「ん?どれどれ」 孝志郎さんが封筒を受け取ろうと手を伸ばしかけたとき、遥は封筒を自分の方へ引き寄せた。 「え、はるちゃん、なにするの?」 困っている孝志郎さんに向かって遥は言った。 「孝志郎さん、いい加減にしてください。なんで人に住所教えるときに203号室って言うんですか?この封筒、私宛じゃありません。」 「だって、おれはすぐフラフラ っとどこかへ行っちゃう放浪癖があるからさ。」 遥は孝志郎さんの呑気な答えに呆れた。 「郵便屋さんが郵便受けに入れといてくれます。」 孝志郎さんは少し考えてニッコリと笑って言った。 「郵便受けよりはるちゃんのほうが安心でしょ。」
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