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孝志郎さんは遥から封筒を受け取るとそれをじっくりと眺めた。
真っ白なその封筒には確かに差出人が書かれていない。
高田孝志郎様
封筒の真ん中にそう書かれてあるだけだ。
「開けてしまおうか。」
孝志郎さんはそう言うと封筒を机の上に置いて、台所の隣にある小さな引き出しからはさみを取り出した。
「やっぱ、中身見るのが一番だよねー。」
相変わらずの穏やかな口調で封筒を持ち上げた。
遥はドキドキしながら見守っていたが、やっぱり不安になって、孝志郎さんから封筒を取り上げようと立ち上がって手を伸ばした。
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