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俺の言葉に、しばらく無言だったけど、やがて顔を上げて言った。
「……私も、強くなる。昴を守れるくらい。昴に負けないくらい」
「え、いやでも」
「いざっていう時、昴に頼りきりにならなくてもすむようにしたいのっ!……ね?」
「そっか……じゃ、お互い頑張ろう」
「負けないからねっ」
俺は後に、早波の強さを嫌というほど思い知るんだが……ま、この時の俺は知らない訳で。
お互いに笑って、手を繋いだ。
「俺達、蚊帳の外だなー」
「早く帰って柚奈といちゃいちゃしたくなってきた」
「自重しろよ変態」
「それはお前だろがぁっ!」
「あぁ!?やるかこんちくしょう!今の俺はシリアスモード入ってっから強いぞ!」
「「ふ、二人とも落ち着いて!」」
なんとも締まらない形で、俺達のこの日は、ようやく幕を閉じた。
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