7293人が本棚に入れています
本棚に追加
/1413ページ
バババババババババ…
「行ったな…」
夜の空に飛び立つヘリを見つめて呟いた
地面に座り込むと、後ろから足音が近付いてくる
「お兄…」
「…すまない。利用するだけ利用して、後は死ぬだけなんてな」
「いいよ。お兄と死ねるなら、私はいいよ」
「すまないな」
身体が限界値を超えて、座ってすらいられなくなり、大の字に寝そべる
「お前だけでも…アレに乗せるつもり、だったんだけどな…」
「私はお兄と一緒にいたい。ただ、それだけなの。一人じゃ行かないよ」
そう言いながら、膝枕をする
「…まったく、俺の妹は可愛いな」
動かない身体で、可愛い妹を下から見上げる
最期が近い
「…そろそろ、寝るな」
「うん、おやすみ」
「次も…兄妹だと…、いいな」
ここで意識が途切れた
最初のコメントを投稿しよう!