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「私、てっきりサポートは羽村さんの方だと。長瀬さんの方が立場は上に見えましたし、信頼できそうだと感じましたもので」
『えっ…』
言葉を失った彼女に、私はしてやったりの気分だった。
思い知った? あなたは求められていないの。
信頼して仕事をお願いできる立場にいないの。
それを決定することができるのは、私だけなのよ。
これですごすご引き下がってくれるかと思いきや、羽村という女は相当馬鹿らしい。
『失礼しました、長瀬は同期なんです。混乱させてしまって申し訳ないです。そういうわけですので、次回からは私と宮野宛に送っていただけますか?』
……何が、そういうわけなの?
私は本気で呆れてしまった。
この女はまったくもって、察するという能力が欠落しているようだ。
同期だから何? 立場がまったく同じだとでも?
あなたにどれだけの実績があるって言うの?
長瀬恭と同じくらい、輝かしい何かがあるとでも?
女だからって、甘やかされているだけのくせに?
いい加減にして欲しいわ。この勘違い女。
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