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「…オレさ、沙希の分を幸太にも分けにゃいかんと思っとったんよ。」
「何、いきなり。何の話?」
ソファに凭れ、はしゃぎ過ぎて疲れた幸太を寝かしつけながら沙希が問う。
食卓の上には、幸太と沙希の誕生日を祝った料理の残りと、切り分けられたバースディケーキが置かれていた。
「このケーキみたいにさ、自分の中の愛情の塊を、こっちは沙希の分、こっちは幸太の分って切り分けないかんて思っとった。」
沙希は胸に抱いた幸太の背をトントンと軽く叩きながら、黙って俺の話を聞いていた。
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