Birthday cake

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その部屋のドアを開けた途端、俺は激しく後悔した。 可愛らしく設えられたその部屋に、現場仕事のせいで真っ黒く日に焼けた俺なんてまるで似合わない。 でも、後悔はそのせいじゃない。 それは妙にがらんとしたその部屋の、ど真ん中にあるベッドの上で、体をくの字に折り曲げて獣じみた声をあげる沙希の姿を見たせいだ。 ―――出来ることなら、逃げ出したい 俺はゴクリと唾を飲んだ。
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