Birthday cake

4/18
150人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「あなた、棚橋さんの旦那さん?早く行って奥さんの腰さすってあげて!」 廊下をバタバタと大きな音を立てて歩いてきた、細目でやたらと存在感と威圧感のある助産師に背中を押され、俺はLDRと呼ばれるその部屋に足を一歩踏み入れた。 「さ、沙希。大丈夫や?」 おずおずと手を伸ばす俺に、沙希はベッドの上に俯せたまま僅かに顔をずらすと、物凄い形相で俺を睨み付ける。 「大丈夫な訳ないたいっ!!それに来るの遅いよ、たくちゃんのばかっ!!」 沙希はいきなり大声をあげると、呆気に取られて固まっている俺に向かって、枕元のペットボトルを投げつけた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!