Birthday cake

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そのまま、沙希のいる部屋の前のベンチにドサッと音を立てて座り込む。 自分でも気がつかぬうちに体に力を入れていたのか、こめかみがズキズキと痛んだ。 「…ホントに俺は父親になっとやろか。」 自分が人の親になるなんて、まるで実感がない。日に日に膨らむ沙希の腹を見ていても、本当は少し気味が悪かった。 この薄い皮膚の向こうに、俺の血が流れた子どもが入ってる? ぐにゃりと足の形を浮かせて動く沙希の腹は、何故かホラー映画を連想させた。 回想は更に激しい吐き気を呼ぶ。仕事の疲れもあったのか、俺はそのまま深い眠りに落ちた。
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