Birthday cake

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「棚橋さん、起きてください。赤ちゃん産まれますよ!」 激しく揺さぶられて目を覚ますと、先程の助産師の細い目が俺の顔を覗き込んでいた。俺は一瞬自分の居場所を見失う。 「奥さんが呼んでます。早くして!」 急かされてノロノロと立ち上がった俺は「はあ。」と力なく答える。吐き気はいくらか収まっていた。 瞬間、後ろから物凄い衝撃を受け、思わず前方につんのめった。 振り返ると、細目の助産師が眉をしかめて俺を睨み付けていた。背中を平手で叩かれたのだ。 「あんたホントに聞いとっと?産まれるって言いよるでしょうが。」 この人は、俺の逡巡に気がついているのかもしれない。一際低くなったその声に、俺はゴクリと大きく唾を飲んだ。
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