- 1章 -

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 駐車場に政やんのステップワゴンを見つけたその時、街道を挟んで向かいのカラオケボックスから、ふと視線を感じた。  店の入口で立ち話をしている男女の高校生が5、6人。  その中にじっとこっちを見ている顔があった。  亜沙美だ。  店のネオンに照らされたその瞳が動く。  あたしが気づいたことに気づいたのだ。  嫌な奴。  いつから見てたんだろう。  不安を感じながらも視線を無視してステップワゴンの助手席を開けた。
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