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車の中は冷房が効いていた。
「おつかれさん。問題なしだな?」
「うん、許容範囲」
そう答えながら万札を一枚、政やんに渡した。
「でも次からNGにして」
「そうか。わかった」
頭の上でイカツイ形を作るリーゼントパーマは、今日もバッチリキマッていて、乱れたところをまだ見たことがない。
「様子がおかしいと感じたら早めに電話してくれよ」
「うんわかってる」
あたしがそう答えると、政やんは車を発進させた。
政やんはヒロちゃんの一つ後輩で、あたしが小さな頃からヒロちゃんの周りに居る仲間の一人だ。
ヒロちゃんが留守の時には、いつもあたしと兄純也の世話を焼いてくれた。
単なる子供好き、では説明が付かないレベルで、昼夜を問わず可愛がってくれた。
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