- 1章 -

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 食事やお風呂の世話だけでなく、いつもあたし達の気が済むまで遊んでくれた。  小学校4年の頃、「なんでそんなに優しくしてくれるの?」と聞いてみたことがある。  「芽衣と純也のことが大好きだからさ」  とびきりの笑顔でそう答えてくれた。  中学生になって大人達の会話が理解できる様になった頃、どうやら政やんはヒロちゃんに大恩があるらしいと分かった。  だからといって、その恩に報いるためだけに可愛がってくれた訳ではないし、父子家庭に育つあたしたちを不憫に思ったからでもないことは十分に分かっていた。  その政やんとの関係が一変したのは去年の冬だった。  援交を終えてホテルから出たところを見つかったのだ。
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