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鉱石の当たった頭をさすりながら夜空を見上げると、昨日とは打って変わって煌(きら)びやかな星々が顔を見せていた。
「うわぁ…」
溢れんばかりの星空に、頭の痛みもすっかり忘れ、少しでも近くで見ようとリーンは外壁に上がる。
「ん?」
そこには既に先客がいた。
壁の縁(ふち)に腰を下ろし、夜空を見上げながら一人静かに酒を嗜(たしな)むカザミ…
結い上げた黒髪が風に揺れ、星空の満ちた杯(さかづき)をぐいっと飲み干す
その横顔があまりに絵になるので、リーンは思わず見惚れてしまう。
「…何か用か?」
振り返りもせずカザミがそう告げると、リーンは
「え!?あっいや、違うんです!別に盗み見してたわけじゃーー」
と、慌てて訳の分からない弁明を始める。
「…すまなかった」
「ーーへっ?」
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