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お祭り騒ぎは深夜を越えた明け方まで続き、朝日が昇る頃にはさすがに皆騒ぎ疲れて床(とこ)に就(つ)いた。
そしてーー
夕陽の傾く頃、アイアンルークのメンバーを見送るため、街人全員が入り口に集まっていた。
「本当にありがとうございます。しかし、心苦しいですな…タロンを救ってくれた方々にちゃんとした謝礼も払えず…」
町長は申し訳なさそうに頭を下げている。
ーー後に、メンバーが署名したあの白紙のリクエスト用紙はフリーマンが協会を通さず勝手に受領したものだと判明し、報酬が支払われることはなかった。
それどころか、本来ならば無断猟として罰せられてもおかしくない事態だったらしい…
しかし今回は一刻を争う火急の危機だった事と、過去のフリーマンの功績を配慮し、特別にお咎(とが)め無しとなったーー
「なぁに、貴重な水も補給できたし、食料もたっぷり貰えた。おかげで砂漠渡る準備は十分に整ったさ」
そういってパンパンに詰まったリーンのバッグをバシンと叩いた。
「…みんなで荷物を分担しようって発想は無いんですね…」
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