それぞれの始まり

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━━ロスオータム━━ 「本当に行くのかい?何もお前たちが行かなくても…」 全部の指に宝石を嵌(は)めた恰幅(かっぷく)のいい中年の男が心配そうに3人の娘に声を掛ける。 「もう!お父様ったらいつも出掛けには同じ事を仰るんですから…」 3人娘の長女は呆れ顔で父の顔を伺えば、汗だくになりながらオロオロとしている。 「そうは言ってもだねエクレーリア、嫁入り前の大切な体に傷でも付いたら…」 「アラ、でもお母様との出逢いは狩り場だったのでしょう?それにワタクシ達が活躍すればそれだけエレメンタリア宝飾の宣伝になりますわ」 いつもの殺し文句で父をあしらうエクレーリア これを言われれば父は黙るしかない。 「はぁ…分かったよ、でも決して無理をしてはいけないよ?ジュレアもフラミィも分かったね?」 「はーい☆」 (コクリ) 「それでは、行って参りますわ」 エレメンタリア宝飾を後にした姉妹は相変わらず狩り場に向かうとは思えない華やかな恰好で優雅に旅立つ。
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