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「ヘンテコ…ねぇ」
手紙を読み終えたリーンの母は運んで来たヘンテコな鳥ことデンゴンカラスをまじまじと見つめ「確かに」と妙に納得してしまう。
「ヘンテコトハナンダ!セッカク運ンデ来テヤッタノニ失礼ダゾ!」
憤慨(ふんがい)し羽をばたつかせて地団駄(したんだ)を踏むデンゴンカラスだが、その緊張感の無い間の抜けた表情では踊っている様にしか見えない。
「ハハッゴメンよ。そうだ、お詫びにご飯食べていきなよ、ちょうどお昼作ってたんだ」
「本当カ!食ウ食ウ!」
ご飯という言葉でデンゴンカラスの怒りはピタリと止み、テーブルの上で行儀よく待っている。
(フフっリーン、元気そうで良かった)
テーブルに昼食を並べていくと、その中からリーンが幼少期に使っていた小さな皿にサラダを分けてデンゴンカラスの前に置く。
皿が置かれたと同時に物凄い勢いでサラダをついばんでいくデンゴンカラスだったが…
「ヌグッ!」
突然ひっくり返って足をばたつかせる。
「辛イ!辛イ!辛イ!」
「ああっゴメーン!ついいつものクセでリーン好みの味付けにしちゃったよ!」
意識の薄れる中、デンゴンカラスの目にはチリーペッパーで真っ赤に染まるサラダが映った…
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