それぞれの始まり

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━━エルサマール━━ プー!プー! 出航のラッパが海原に鳴り響き、スプリングリットに向けて一隻の船が旅立って行く。 ーーその船上に居るとある狩猟団 彼等の話題は一人の男で持ちきりだった。 「今年も来るかな?あのボーヤ」 愛用の長銃を入念に手入れしている女性が聞けば、巨鎚に腰掛けている少女は不機嫌そうに言う。 「知らない。どうでもいいわよ、あんな奴」 「…来る、あの男は」 素っ気なく応える少女に変わり、大剣を背負って腕を組む男がぽつりと海に向かって呟いた。 「なぁに、行きゃ分かるさ。どのくれー成長したのか、それとももう諦めたのかーー」 照りつける太陽の光を遮(さえぎ)る様に、大盾を掲げる老齢(ろうれい)の男 遠目に映る大陸を一人にやけて見つめていた。 「オメェの息子はどんなハンターになるんだろうなぁ…ジェイス」 独り言は波の音にかき消され、ギラギラと輝く太陽が背中の大きな赤い星を燃える様に紅々と照らしていくーー 「…暑っちぃ…やっぱ到着まで船室で休むか…」
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