Lesson 2

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結婚というもの自体いっそなくなってしまえばいいのに……  そうしたらこの世の結婚できない女も少しは生きやすい世の中になるのに、なんて自分勝手な事を思ったり。  でも結婚して子供が生まれて幸せそうにしている詩織たちを見ていると、さすがにそれはそれで問題なのかもしれないと思ったり。  それなら結婚する、結婚しない、と選択できて申告、公開制にでもなってくれたら、こんなにも居心地悪さを感じなくて済むのかもしれない。  もう少し独身女性の住みやすい社会を!と声を大にして言いたい―――所詮、負け犬の遠吠えにすぎないのかもしれないけど…… 「牧瀬さん総務課の水橋さんのお祝い金集めてるんですけど、いいですか?」 「あ、うん。2千円だったよね」  金額を訊かなくても分かる、誰かが結婚したら一律2千円。 こうして慣れた感じで財布からお金を出し手渡すのは何度目だろう―――もう正確な回数なんて覚えていない。 .
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