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定時が過ぎ、いつものように2時間の残業。
首も肩も背中も限界で思いっきり背伸びをして凝りをほぐし本日の業務は終了。
最近は仕事が忙しく休日出勤も珍しくなかった。
歳のせいか仕事の後は疲れ果て帰ってご飯を食べてお風呂に入って寝る、というのが私の日常だった。
「あんた毎日毎日、残業、残業で……。会社はあんたを一生面倒見てくれるわけじゃないのよ?」
人が疲れ果てご飯を食べている傍らで、いつものお母さんの小言。
ウンザリするくらい聞かされ、今ではもう聞き流す術を身に着けてしまっていたが、いくら聞き慣れてしまったと言っても聞かされて心地のいいものでもない。
「-――て、凜子!人の話を聞いてるの!?」
いつのものことなのに何の反応も示さない私に痺れを切らしたお母さんがバン!と食卓のテーブルを叩いた。
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