琥珀

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人の森で彷徨う 人が偽善謳うその道で 私は喉を潤す 落ちたインクが広がる闇から 碧の蝶が瞬き 私の手は独り虚空を飾る 掴んだものも始まらない偽物で 逃した華は美しく 周りの羨望に呑まれて散りゆく 開花も時の旅人と共に去り 不幸は他人に蜜を舐めさせた 笑みに瞳はものを言わず 真偽の問いには雫を垂らす まだ吹かないそよ風に 舞う羽に軌跡はない 振り返らずともいい 私ガ私デアルコト 消えゆく運命を背に 私の感情は ただ琥珀に眠る
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