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2013年4月半ば頃、都内の中心にある超名門学園、ユリウス学園中等部校舎は黄色い声で賑わっていた。
そんな中等部校舎の昇降口には、不貞腐れた顔をする双子の少女達の姿がある。
一人は肩まである長さの髪をポニテールし、パッチリした目のセーラー服を着た少女。
妹の安部空(10)。
もう一人は、二つの編み下げをしたパッチリした目で大人しそうな様子のセーラー服を着た少女。
姉の安部海(10)。
ユリウス学園初等部に通う五年生で、初等部生徒会副会長と生徒会会長。
今日は用があって中等部校舎に来ていた。
だんだん黄色い声援が近くなり、それに続いて女子生徒ばかりが作り出す空いわく『ハーレムロード』を颯爽と歩く二人の少年達が姿を現す。
一人は眼鏡を掛けており、いかにも優等生そうな少年、安部陸人(13)。
もう一人は単細胞そうな元気系少年、安部大地。
陸人と大地は双子の兄弟で、それぞれ弟と兄。
陸人は後ろ髪が長く、大地は短髪で前髪の真ん中を分けている。
「あっ、海と空じゃんか!」
大地が最初に気付いて二人に声を掛けた。
「二人が中等部校舎に居るなんて珍しいね」
陸人も微笑んで二人に声を掛ける。
だが、この場に居るのは四人だけではない。
「ちょっと……何で初等部の生徒会会長と副会長がいるのよ?」
「マジで羨ましいんだけど……」
勿論、さっきのハーレムロードを作っていた女子生徒もいて口々に陰口を叩く。
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