積み木

4/4
前へ
/6ページ
次へ
「いいよ、それで」 大人が子供にするそれっぽくニナの頭を撫でた。 「はぐれないように手を繋ごう?」 「うんっ」 たぶん、傍から見ても俺とニナは兄弟にしか見られないのだろう。 それでも、今はお兄ちゃんでも。 いつかは一人の男として見てほしい。 だから積み上げるんだ。 緻密に丁寧にニナの中の俺を。 いつかぶち壊すその日まで。 俺はニナの“お兄ちゃん”にはなれないから。 俺はニナの“彼氏”になりたいから。 センチ気取って良い男ぶってんじゃねーつーの。 そう遠くない日まで俺は積み木を積む。 end
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加