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「いいよ、それで」
大人が子供にするそれっぽくニナの頭を撫でた。
「はぐれないように手を繋ごう?」
「うんっ」
たぶん、傍から見ても俺とニナは兄弟にしか見られないのだろう。
それでも、今はお兄ちゃんでも。
いつかは一人の男として見てほしい。
だから積み上げるんだ。
緻密に丁寧にニナの中の俺を。
いつかぶち壊すその日まで。
俺はニナの“お兄ちゃん”にはなれないから。
俺はニナの“彼氏”になりたいから。
センチ気取って良い男ぶってんじゃねーつーの。
そう遠くない日まで俺は積み木を積む。
end
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