Act.2 日常と非日常の狭間

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恵が、学校へ出てきたのは、あれから、3日後のことだった。 高志も、まだ、体調が悪いらしく、今日も欠席していた。 帰り道、いつもの分かれ道まで来た…。 「ねぇ、恵。話があるんだ。大事な話。」 「…今日でないとダメ?」 「うん。」 「わかった、寄るよ…」 分かれ道を右に入る。 見慣れた、沙樹の家。 「お邪魔します。…あれ?おばさんは?」 「ママは、今日は、留守よ。…高校の同級生の人達で、日帰りのバス旅行なんだって。だから、帰るのは、夜になってからなの。 パパが、出張だって、知っていて、計画たてたんだから、本当、困っちゃうわね…。 恵、サイダー飲む?」 「ああ…。」 普段から、しょっちゅう二人でいるのに、ちょっと緊張するよな。 でも、なんで、両親がいないときを、狙って、俺を、家にあげたのかは、すぐに、わかることになる…。 まだ、時たま、肌寒い日があるが、今日は、爽やかで、リビングの窓を開けても、大丈夫みたいだ。 「…氷呀、雪華…いるなら、姿を見せて。」 そう庭に向かって、呼び掛けると、尻尾をフリフリしながら、見覚えのある白い犬が、2匹現れた。 「…さ、沙樹?…そいつらって…もしかして…あの時の犬…なのか?」 「うん、そう。…あっ、でも、ひとつ訂正だよ。 この子達は、犬じゃなくて、狼だから…。」 「狼だって!?」 そう言われて、よく見て見れば、犬よりも顔立ちが、精悍で、目付きも、鋭い。脚も、かなり筋肉質だ。 それより、毛並みが、すごくよくて、純白の体毛が、艶々と光輝いている。 「綺麗だな。」 「そうでしょう。だって、この子達は、神様の御使いだもの。」 「はぁ?…?」 いきなり神様の御使いだとか、沙樹が言い出すから、俺は、あんぐり口を開けてしまった。
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