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舞い上がる埃の向こう。
棚の後ろの壁に、手のひらほどの四角い切れこみが走っていた。
その上に指を乗せ、ゆっくりと押し込んでいった。
何かが填まり込んだ音とともに、壁が四方に押し開かれ、奥へと繋がる道が広がった。
真っ暗な部屋だった。
「さて。探し物を没収しに行きますか」
再びベレンドットを肩に担ぎ、暗闇の中を進んでいった。
他に誰もいない空間には足音だけが虚しく広がる。
こうした状況には何度も足を踏み込んでいるから恐怖などはないが、いつも不気味に感じはする。
たしか、地図の通りでいけばもう少しで辿り着くはずなのだが……。
「ビンゴ」
先ほどまでとは打って変わって、小ぢんまりとした部屋だった。
手のひらに光を灯す。
机と椅子、コンピュータに、右脇の棚には大量の資料。
意外とシンプルな部屋だな。
そして目的の物は労せずにすぐ見つかった。
机の上に置かれた小さな小箱。
侵入者に慌てて、隠すこともなく出てきたってところだろうか。
左手の手を高く上げ、ベレンドットの頬をひっぱたく。
それでも目を覚ますことのないベレンドットに腹が立ち、今度は拳で殴った。
「ふぁ?」
変な声を出しながら、ようやく目を覚ました。
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