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「よう。早速で悪いが、これを開ける方法教えてくれよ」
「んな?と、突然、なんですか?いつの間に私の研究所に侵入したのです?」
「うるせえ。いいから、早く教えろって」
「……」
返事もせず、ただ箱を見つめるだけのベレンドット。
しばらくだんまりを決めている。
待っても無駄か。
もう一発、殴ってみよう。
再び腕を高く上げた矢先、まあ、だいたい予想していた台詞が耳に入る。
「いいですが、一つ条件があります」
「あ?言える立場だと思ってんの?」
「あなただって、これを開けないことには任務を終えられないでしょう?」
「いや、別に」
「は!?いや、だって、あんたこれ、セキュリティ起動してるから、無理に開けたら中の薬は蒸発して消えますよ!?」
「いや、うちには優秀な分析官がいるから問題ねえし」
「い、いや、そんな……私のセキュリティが簡単に破られるわけない」
「かかっ。なあ、ベレンドット。『特務』をナメんなよ?」
脅すようにベレンドットの顔を覗き込む。
少しひよった表情だな。
もうひと押しか。
「今話せば、司法取引ってことにもできるんだけど?」
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