序章 -未来神話の始まり-

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草原の大都市。 広大な広さを持つ盆地と平地に囲まれたこの国には 様々な遺跡や城跡が点在している。 目の前にそびえる古代の遺産物を除いて、ここには遮る物は何もない。 春を待つこの高原には、季節風が遠慮することなく吹き抜けては 俺の髪の毛をかき回していく。 過去の文献を調べたら、この辺りではかつて、大陸中に散らばっていた 遊牧民族が集まり、春の祭りを催していたようだ。 空を見上げると、太陽の光が心地よく、ここでなら星が綺麗に見えそうだ。 「つってもま、星が出る時間まで居座るつもりはないけどな」 身にまとった簡易プロテクトスーツの下で大きく息を吸い込み、吐き出す。 崩落している巨大な城は、架け橋が壊れ、歓迎している様子もない。 こんな辺境の地に来たくなどなかったが、他のメンバーも手が回る状態でもなかったから。 非常に不本意だが、手の空いた俺が行くしかないのだ。 で、散々調べて探しまわった結果、奴らが逃げ込んいるとすれば、この近辺にある地上の廃墟しかないというわけだ。
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