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特攻して1キロほど進んだ場所だろう。
少し開けた部屋が見えた。
近づいていくほどに、地下に続いていくことが見て取れる。
ここだ。
俺はそのまま突っ切っり、飛び込んだ。
一瞬、体が重力を失い、浮遊感に包まれる。
そしてすぐに、俺は床へと引っ張られていった。
「だっ」
轟音を響かせて、地面に着地する。
「いってええええ」
ちょっと着地に失敗した。
両足が折れんばかりに痛み、痺れた。
痛みの抜けない足で無理矢理立ち上がり、天井を見上げる。
吹き抜けのホールは、恐らく地下4階、ってところ。
この部屋の入り口は、俺が落ちてきた場所と、背中のほうに一つだけ。
恐らく、ここで合っているはずだ。
「おやおや」
扉が開く音と一緒に、靴の音がホールに響いた。
「これはこれは。随分とお若い使者の方がいらしたことだ」
声のした方へと振り返る。
死んだ魚のような瞳。
真っ青な肌。
指は7本もある。
異質な体だ。
およそ人間とは程遠い姿形をしている。
「『特務』のモンだ。ベレンドットさん、あんたが研究してるブツとその資料全部、取り上げにきた」
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