一章 幸せメリー

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「私は貴方を幸せにしないと帰れない。…だから、ここに住んだ方が良い。」 「それがよく分からないと言っているんだが。」 無表情で言うこのお方はメリーさん。 空より美しく、腰まである綺麗な水色の髪をサラサラとなびかせる。 全てを見透かしていそうな瞳に桜みたいな唇。 若干幼さがある背。 通りすがったら間違い無く二度見してしまいそうな程可愛くて美しかった。 だが、この子がメリーさんと言う保証はどこにもない。 「信じられないのは当たり前だと思う。でも、証拠…ある。私は思ってる事が分かる。」 「……本当か?」 こくっと頷く。 決して嘘は言ってない…それは、メリーさんの顔を見て分かった。 「今、私はプリンが食べたいと思ってる」 「お前のかよ!!!!」 思わずツッコミを入れてしまった。 それが、メリーと俺の出会いだった。
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