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ひまわり畑で迷子になるほど小さかった頃のことだ。
お隣に住む、「ミョーちゃん」と呼んでいたお姉さんに連れられ、小高い丘で星を見に行った。
澄み切った真っ暗な空には満点の星屑、キラキラという音が聞こえてくるようだった。
「あ、見て、あれが夏の第三角で――」
ミョーちゃんは教科書を開いて空を指さした。
あの時何のことを言っているかわからなかったけど、一際輝く星が3つあったのは覚えている。
「あれは北極星、かな。動かないとかだった。たしか」
ふうん、と相槌を打った。
ミョーちゃんは教科書を閉じ、大きいかばんを漁り始めた。望遠鏡だ。
小慣れた手つきでテキパキと望遠鏡を組み立てた。
ミョーちゃんは勉強熱心な方じゃないから、星に関する知識が豊富なわけではなかったけど、こういうアウトドアな趣味は一通りこなせる。
釣りに行ったりキャンプに行ったりした時もそうだが――なんか、かっこよかった。
「おっ、見える見える。来い来い」
ミョーちゃんは僕を手招きして、望遠鏡を覗くよう促す。
自分は丸太に腰掛けて、僕が持ってきたポッキーを空けた。
ポッキーも気になったが、望遠鏡に目を押し付けるように覗きこんだ。
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