人のいる星

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木目のある球体に、リングがついている。 「木星だよ。キレイだよなあ」 あの頃は、あまりキレイとかそういうのはわからなかったけど、「スゲー」とは思った。良く分からないなりに、スゲー、と。ただ、人は住んでなさそうだなあと子供ながらに思った。 「おっし、ジン、好きに見ていいぞ」 僕の名前は仁(ひとし)だが、ミョーちゃんは音読みでジンと呼ぶ。かっこいいかららしい。 そういうミョーちゃんは、ポッキーを半分平らげていた。 ちょっと怒ったら、3本くれた。元々僕のだけど、バカだった当時、普通に喜んでしまった。 まあ、望遠鏡のレンタル代みたいなものだろう。 ピントの合わないまま、星をでたらめに探した。 人の住んでる星はないかなあ、と。 そんな時、ひとつの星に目が止まった。
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