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4人分の飲み物を頼み、それが目の前に置かれる
お洒落なグラスに注がれたシャンパンは小さな泡を作りそれがグラスの底から上へ上へとがっていくのを見つめてると美加先輩に声をかけられた…
「菜緒ちゃん…は、話すの初めてだよね?」
『あ、はい…会社で見かけた事は何度かあるんですけど、
話すのは初めてです』
そう言えば美加先輩は少し笑みを添えて頷きシャンパンが入ったグラスを手に取った…
「でも不思議よね?
私、海本くんや千夏ちゃんとは良く話したりするのに、その2人と仲が良い菜緒ちゃんと話すのは初めてなんて…
あ、ねぇねぇ奏と知り合いなの?」
『え!?』
奏…?
誰だろ?なんて首を傾げてると先輩は人差し指を目の前に向けチョンチョンと指差す…
私はそれを追う様に自分の横に視線を向けた。
『杉浦さん…?』
「そう! 彼と知り合い?」
もう一度杉浦さんの方へ視線を向けると、彼は全く何も聞いていない様な顔を浮かべシャンパンを味わっている…
私は目を細め冷めた様な眼差しを送った後 首を振った。
『全然知りませんよ。こんな昔の事いつまでも根に持つ様な執念深そうな男性なんて…』
「ブハっ」
私の言葉を聞いた杉浦さんは口に含んでいたシャンパンを吐き出した、
向かえに座る久志は私が本社に応援に行った事を知っているからなんで嘘をつくのかと首を傾げている…
知り合いなのかもしれないけど、
でも 本社でもまともに5分と顔を合わせなかったし…それに冷たかったし、だから知り合いなんて私の中では認めたくない…
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