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*奏一*
「で? この忙しい時に人の事呼び出してなんなの?
だいたいこんな所でお洒落にご飯食べてる暇なんてあるの?
そうだ人事異動させる前に私の課の仕事手伝ってよね
これが取れるか取れないかでウチの命運がかかってるんだからっ!!」
「そんなガミガミ言わなくてもわかってる。」
「それなら良いけど…
で?なんで私今日呼ばれたの?」
腕を組み不服そうに見る美加に俺はため息を落とした
美加は俺が昔この支社にいた時からの付き合いで言わば仕事のパートナーだった為、誰より俺の事を知っていて俺もコイツを良く知っている…
社の中でも1番信頼出来る相手と聞かれたら間違いなくコイツが上位に上がるだろう…
「仕事の事?
本社とこっちで首が回らなくなったとか?」
何も言わない俺の顔を覗き込みながら心配そうな表情を添える…
「違う…仕事じゃない。
只たまには飯でも奢ってやろうって思っただけだ」
「………。
怪しい、今まで誰かを誘ったのなんて見た事ないし
逆に誘われても営業用スマイル浮かべて「忙しいんでまた」なんて言ってる姿を嫌と言う程見て来たのに…」
俺が黙ってると美加は近付きボソリと呟く…
「何か裏があるとしか思えないんだけど?」
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