キス~2~

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美加の怪しむ目をやんわりかわしてると向かえのテーブルからガシャンなんて音がし その瞬間朝比奈の悲鳴が店内に響いた… 『ご、ごめんね久志… グラス倒しちゃったっ 濡れてない?』 「うん、大丈夫だよ菜緒は大丈夫?」 頭を撫でる男を見て呆れた顔を向けて美加に視線を移すと、美加も振り向きそっちを見ていた… 「ねぇ、今気付いたんだけど 海本くんと一緒にいるのってうちの会社の子じゃない?」 美加が朝比奈に気付いてなかった事に驚いた、まぁフロアが違えば顔合わす事もない奴もいるか… 「同じ会社の朝比奈 菜緒だろ」 「菜緒!? あの子がそうなんだ? 彼女でしょ?奏がこっち来て早々引き抜いた子って? 名前は知ってたわよ。うちの課でも噂になってたんだから…でも海本くんと付き合ってたんだ~ 私テッキリ海本くんって千夏ちゃんと付き合ってるんだと思ってた」 良く分からない情報を入れられて首を傾げてると 突然美加がまた後ろを振り返り朝比奈を見た後 俺に視線を向ける… 何度かそれを繰り返してる美加に何をやってるんだと声を出そうとしたが先に美加の方が口を開く… 「なんで、この店にした訳?」 「特に理由はない、ってかその質問攻めなんとかなんないのか?」 「ふーん… なんとなくわかって来たかも」 「……?」 俺が眉間にシワを寄せてると美加は不適な笑みを浮かべ俺を見据える… 「彼女とどういう関係なの?」 「だからその質問攻めやめろって。 とりあえず半年はこっちに席は置くつもりだから、まぁ本社と行ったり来たりになるかもしれないが 美加の方の仕事もちゃんとサポートしてオトしていくから安心しろ… じゃあ出るぞ。」 これ以上、変な詮索も質問攻めも御免だと上着を手に取り帰ろうとするが肝心の美加が立ち上がらない… なんなんだよまったく。 「オトすってどっちを? 仕事?…それとも彼女? 私からの誘いは平気で断るくせに、自分はこういう時ばかり利用してくるとかムカつく…… だ・か・ら しっかり邪魔して帰ってあげる事にする」 そう言った美加は上着を掴み立ち上がると体をグルリと回し朝比奈達の方へ歩いて行く… あのバカッ!!  
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