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アイスを一口食べた所で杉浦さんに視線を向けた…
『あの、一つ聞いてもいいですか?』
「ん?」
『私の家に…どうやって入ったんです?
鍵開いてました?でもうちオートロックだし…
どうやってあそこに居たのか全然わからないんですけど…』
怪訝する私に杉浦さんは「ああ」なんて頷く。
「あんまり種明かしはしたくないけど…
下にいた管理人室の人に”婚約者が昨日から連絡取れなくなって、様子を見に来た ”って言ったら開けてくれた…」
『なっ!? そんな嘘真に受けてか弱い女性の家の鍵を開け放つなんてどういう事っ!?
もし杉浦さんがストーカーだったらどうすんのよあのおばさん!!』
「こらこら。自分でか弱いとか言うなよ…
それにこんな爽やかなストーカーがいるわけないだろ。
まぁ都会じゃこんな手は通用しないだろうけど、田舎って良いよな。
まだ他人を信じる事が出来て…」
フッと笑う杉浦さんを見て思う…
自分だって自分で爽やかとか言ってるじゃん!
「まぁそれだけじゃなくて他にも色々言ったけど、一番効いたのは会社の名刺…
大手企業もこういう時は役に立つんだって思った、信頼性があって」
『悪用だ、悪用…職権乱用ですっ!?』
「職権乱用って俺は公務員じゃない」
『そ、それに杉浦さんを婚約者だなんて勘違いさせたら、今度久志を連れて来る時顔合わせずらいじゃないですか… もーっ』
ブツブツ文句を言ってると、突然杉浦さんが自分のアイスを私の方へ差し出してくる…
『……?』
「やっぱチョコはしつこい そっちと代えて。」
話しをすり代えられて『えーっ』なんて抗議するも大人しく自分のバニラと交換する…
実はチョコも食べたいって思ってたりして。
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