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『あ、杉浦さんごめんなさい。
ちょっと今日疲れちゃって鍵明日で………』
杉浦さんが何か話し出す前に断ってしまおう…そう思って、明日でいいですか?って言おうと思ったのに途中で喉が締まり声を出す事を拒んだ…
我慢していた涙腺が何故か緩みそうになりグッと耐えなんとか冷静を装い声を絞り出す…
『あのっ……』
「どうした?」
私が言葉を言い終わる前にゆっくりと優しさを帯びた杉浦さんの声が耳に響く…
『…………。』
何も言えなくて、もうこのまま黙って切ってしまおうかと悩んでると杉浦さんが言葉を続ける。
「何処にいる?」
『え? あ、あの 駅前の……噴水…』
「分かった。 少し時間掛かるから何処か近くの店に入ってて。
寒くなってきてるから 絶対外にいるなよ?」
返事を返すと電話は切れ通話終了を知らせる機会音が耳に響いた…
どうしてだか分からない…
本当は杉浦さんに、甘えちゃいけないんだろうけど
だけど、強がりを口に出来る余裕もなくて…
それに “目撃したって”言っていた彼に聞きたかった、今日聞いた事が事実かどうか……
そんな事 聞いたってただ傷つくだけだとわかってるのに……
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