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「あ……先に鍵返しておくな」
『ありがとうございます』
差し出した手にそっと乗せられた鍵を握りポツリと呟く…
『杉浦さん…』
「…ん?」
『あの、この後何か予定あります?』
視線を向けると杉浦さんはまだ熱が引かないのかパタパタと扇ぎながら首を横に振る…
「いや…」
『じゃあ、あの…もし良かったら付き合って貰えません?』
飲みたい気分なんで。なんて言い引きつってたかも知れないけど それでも笑顔を向けると杉浦さんも細く笑い私の頭をクシャッと撫で立ち上がった…
私も後を追うように立ち上がり杉浦さんの横へと歩く…
「何処へ行く?」
『あ…じゃあ 私の家で飲むって言うのはどうですか?』
私の言葉を聞いて杉浦さんが少し目を見開いたのが見え ちょっと後悔の念が湧き起こった、
それでも聞きたい内容から言って外で話す気分になれないから…
だから不本意だけど、ユックリ話せる家に誘う事にしたんだけど主旨も伝えずイキナリ家はまずかったかな…
そんな不安を抱き杉浦さんを盗み見ると何か考え混む様な表情で下を向いている…
「なぁ?」
『は、はい…』
「朝比奈の家ってここから遠いだろ…
ここからだったら俺の家の方が近いし そっちにしないか?」
『………え?』
杉浦さんの家か…
前に一度行ってるし別に警戒する事もないわけですぐに頷いて同意した。
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