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*奏一*
珈琲を手に取り浮かない顔を浮かべる朝比奈を見ながら珈琲を口へと運ぶ…
きっと俺と関係をもった事を今更ながらに後悔でもしているんだろう…
俺も…本当なら朝比奈に手を出すつもりなんて無かった、
電話の声を聞いた時、何かあったんだと分かったが、それでもただ側にいて慰めてでもやれればそれで十分だと心に決めていた、
それなのに…涙で濡らす瞳を見て、辛さを隠す事も出来ないぐらい傷付くお前を見て…
昔起きた…あの時の事が思い返されて、放っておけなくなった
あの時、幼いながらにも こんな思いは二度させない…させたくないと強く思った。
そんな、あの時の記憶が強く出てしまいどうしても離す事ができなかった…
「そうだ、昨日の事でひとつだけ訂正しておく事がある」
『え……?』
突然声を掛けたせいか朝比奈はビックリしたように目を見張りそろりと視線を上げる…
「海本と石川の事をお前に話さなかったのは、2人に何か言われたからでも肩入れしたからでもないからな…
俺は聞けば傷付く事をわざわざ自分から言ったりはしない。
それと俺にバレた時点で自分から話すのが筋だと思ってたから……だから話さなかった。」
そう言い朝比奈の表情を伺えば少し申し訳なさそうな顔を向ける…
『私…昨日酔った勢いで沢山ひどい事言っちゃいましたよね…
別に杉浦さんが本当に2人の味方して黙ってたとしても それでも私が杉浦さんに当たるのは間違ってますよね…
分かってたんだけど、……なんか 寂しくなっちゃって…』
あはは…なんて乾いた笑を漏らす朝比奈を抱きしめたい衝動に駆られるが、それをしてもコイツを困らすだけだと辞めておく。
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