キス~5~-2

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大好きなあの瞳も 優しさも 嬉しそうなあの顔も 本当は全部 いつも私の横にいた千夏に向けられたものだったのかな…… じんわりと涙が瞳に滲むと同時に腕が引かれ私の体は杉浦さんの腕の中に抱きすくめられた…… 『……?』 「……辛そうな顔してる」 ……そうやって 私の変化に気付いてくれて そっと寄り添ってくれる… だから……だからダメだってわかってるのに つい本音が滑り落ちてしまう… 『辛いし苦しい…っ』 見上げた先にある 杉浦さんの瞳を縋るように見つめそう呟いた…… こんな事を伝えても困らすだけだと分かっているのに、それなのに…子供みたいに甘えてる……
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