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「ごめんね…」
俯きそう呟く千夏の声が倉庫の中に小さく響いて消えていく…それを聞いてたら泣きそうになってきて私はギュッと手を握り締め声を絞り出す…
『あ、謝らないで…っ
私だって千夏の気持ちに気付いてあげられなかったんだから…
悪いのは…私達二人の手を取った久志だよ』
うん、絶対そう…なんて力入れてそう言えば千夏はクスクスと笑いを落とす…それを見て私も少しホッとした、
本当は誰が悪いとかなんて分からないけど、千夏には自分を責めないで欲しかったから…だから思わず久志の名前が口から出てしまった。
だけど、千夏もそれを分かっているようで笑いながら頷き 背中にある棚にもたれ掛かった…
「男ってなんでああなんだろうね…。
菜緒は…大丈夫なの? 杉浦さんって美加先輩の恋人でしょ?」
『え!? あ…えっと…』
社内でそういう噂が流れている事をスッカリと忘れていた…
私と杉浦さんの関係は大っぴらにしていないから、今もなお杉浦さんと美加先輩が付き合っているという噂が広まっている…
杉浦さん的には話しても構わないって言ってくれてるけど、同じ職場で働いてる以上、しかも杉浦さんは上司だし…それはマズイんじゃないかと思って今は意図的に伏せて付き合う事にしていた…
う~ん…それを千夏になんて説明すればいいんだろ…
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