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「見せてみ」
『へ?』
イキナリなにを言われたのかとキョトンと忠長さんを見つめると目の前にある書類を奪い取られる…
「……ふ~ん、中々面白いんじゃねぇの、これ」
『ほ、本当ですか!?』
顎に手を添えながら考える忠長さんが頷いたのを見て私は心の中でガッツポーズを浮かべた…
良かった…
『あの…じゃあ、27日までになんとか形にもっていきたいので…よろしくお願いします』
「ああ考えとく。 とりあえずお前…これ食え」
『え?』
ぶっきら棒に手渡されたお皿を見つめるとそこに乗っているのはケーキ…
『えっと…これ…』
「熊田のおっさんが、今日あんたが来るから何か甘い物でも食べさせてやってくれって言うから作ったんだよ…。」
え…なんて反応する私を余所に彼はブツブツ何かを呟き書類を一瞥している…
「今からクリスマスシーズンで忙しいってのにイベント企画なんてなに考えてんだか、あのおっさんは」
呆れたようなため息を零した後 忠長さんは戸棚からフォークを取り出し私の前に差し出す…
『あ、ありがとうございます…』
「そこの椅子座っていいから」
『あ、はい…』
忠長さんの直ぐ横にあるスツールに腰掛けケーキを見つめた…
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