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「その気持ち、なんとなく分かるな…
初めて自分に任された仕事なのに、頑張ろうっていう気持ちとは裏腹に色恋沙汰になってしまった事を責めてるんでしょ?
だけど、私から言わせると別に菜緒ちゃんが悪い訳じゃないと思うわよ。」
そう軽く言う美加先輩に驚き伏せていた目を弾かれたように彼女へと向ける…
「だってさ、私達の仕事は相手先に好かれてなんぼの仕事でしょ?
どんな良い企画でも、人間相手に仕事してるんだから嫌われたらそこで終わりよ。
現に調子に乗っちゃって外された奴もいるんだから…、それにあの無表情男の奏だって相手先にはニコニコ愛想振りまくわよ…
そうやって着実に相手との信頼関係築き上げていくのも大事な仕事だから。
それにね、冷たくしようが笑っていようが逆立ちしていようが、好きになる奴は好きになるものよ…
菜緒ちゃんはそこで自分のやるべき事をしてただけ、ただそれだけ。
だから褒められる事はあっても責められる事なんて一つもないわよ。
奏だって、それ分かってるから何も言わないんでしょ…アイツの事だから菜緒ちゃんの今の変化に気付いてない訳ないと思うから…
だから、自分を責めなくていいのよ」
ね? なんて優しく微笑まれ、思わず目頭が熱くなった…
やっぱり美加先輩に話して良かった…
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