41人が本棚に入れています
本棚に追加
「おう、悪いなこんな遅くに」
『いえ、お店が優先ですから…その合間に作って頂けるだけで助かりましゅ』
ハッとした時にはもう遅く、忠長さんの笑い声が頭上から降ってきた…
「バ~カ、昨日噛むなって言ったろ?
学習能力ねぇのな菜緒は」
グシャグシャと私の頭を撫でながら まだ笑い続ける忠長さんに、すいません。と恐らく赤くなっているであろう顔を反らせながら呟いた…
やっぱりどうしても、緊張する…
初めて任された自分の仕事だから、ちゃんとしようって思えば思うほど空回り…
「ほら、とりあえず2つは作っておいたから…見てみ。
後の2つは明日だな、クリスマスイブだから店が混雑するのが目に見えてる、作れるのは夜遅くになるけど大丈夫か?」
『は、はい。 勿論大丈夫です』
頷いた後、忠長さんに渡されたケーキを見つめた…
一口サイズに切られたケーキ…
私の提案したケーキはお皿にそれぞれ4つずつ色んな種類のケーキを一口サイズにして出す事だった…
それだったら、大人の主婦の人が好みそうな物も、子供が喜びそうな見た目も可愛いケーキも、甘い物が苦手な男の人にも大丈夫な甘さを控えたケーキも、色んなニーズに合わせて出せると思ったから…
特にイベントは家族連れが多くなるようだから、子供も奥さんもその旦那さんも楽しめるようにと考えた…
まあ私は考えるだけで、実際作るのは忠長さんだけど…
最初のコメントを投稿しよう!