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ケーキをじっくりと観察している私の後方で、忠長さんが何故か立ち止まっているのが分かりそっちへと顔を向けた…
『あの…どうかしました?』
「……ん? あ、いやなんでもねぇ。
それよりケーキどうだ? イメージと違うんなら作り直すけど」
まだ後ろにいる忠長さんに首を振り、これで大丈夫だと伝えた…
『すごくイメージ通りです…。
でも凄いですね?』
「何が?」
私の言葉に首を傾げる忠長さんは後ろから前に回り込み、顔を覗き込む…
『自分がイメージした物が、こうやって形になる事が凄いです…
勿論、忠長さんが作ってくれたからこそですけど…でもなんだか凄く嬉しいです』
自分が取引先にいるっていう自覚を思わず忘れて、笑みを零すと忠長さんも目を細めた…
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