41人が本棚に入れています
本棚に追加
「久しぶりだな、その感じ」
『え?』
忠長さんの呟いた言葉の意味が理解出来なくて、目を見開けば 大きくて思っていたよりずっと細くて端整な手が私の頭をポンポンと叩いた…
「長年、この仕事してると もう作って当然、やれて当然って思われる事が殆どだから、今の反応は久しぶりだった」
『そうなんですか…』
あれ…でも…
『あの…そういう反応って、お客さんから結構見れたりするんじゃないんですか?』
「いや見れねぇよ。
俺なんか いつもこんな奥にいるから」
あ…
確かに、ここからじゃお客さんの顔は見れないか…
「なあ?」
『は、はいっ!』
突然近付いてきた顔と、真剣な瞳に自然と背筋が伸びる…
「前にこの店に来た事あるか?」
『え? 昨日来ましたけど…』
「ってそうじゃね~よ、ずっと前…1年ぐらい前に…」
1年前…?
最初のコメントを投稿しよう!