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出て行った杉浦さんから視線を逸らし、忠長さんを見つめた…
「まさか、菜緒の相手が上司だったとわな。まあなんな恐い顔して俺から引き離すから、おかしいとは思ってたけど…」
あの時、そんな恐い顔してたんだ…
「ありゃただの上司の顔じゃないって鈍い俺でも薄々気付く、それに菜緒の首の後ろに付いてるキスマーク…」
『え?……あ!』
忠長さんからキスマークって言葉が出てからずっと考えてたけど、もしかしてあの会議室の…
「普通の彼氏なら胸の辺りとか、せいぜい首横とかだろ?
なのに、お前のは首の後ろに付いてる…だから初め虫刺されかなんかかと思ったんだよ」
だから、忠長さん何度も私の首の後ろをしきりに触ってたんだ…
「だけど、今思えば 上司って立場上見える所に付けるのはご法度だろ? 菜緒だって一応社会人なんだからよ。
だけど、首の後ろなら普段髪の毛下ろしてたら見えねぇじゃん、だけど俺の店は飲食店だし、来る時は必ず髪を結ぶって分かってたから、そこに付けたんだろ?
あ~くっそ、腹立つ男だな。」
そう言いつつ、小さな笑いを浮かべる忠長さんは 静かに私に視線を向け何故かジッと見つめる…
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