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「落ち着いた?」
ゆっくり離された唇から、そう言葉が落ちてくるのを聞いて静かに頷く…
やっぱり杉浦さんには、伝わってたんだ…私が緊張している事。
軽く深呼吸をした私は、少し離れた場所で優しく微笑む杉浦さんのその目をジッと見つめ ゆっくり言葉を落とす…
『あの…杉浦さんに聞きたい事があります』
「ん…俺も朝比奈に話したい事がある」
私を見返す彼から滑り落ちてきた言葉に、ドキリと心が仰々しい音を立てた。
窓から見える微かな星も、再び距離を詰めようと動いた拍子に鳴るスプリングの音も…
そのどれもが私をより一層緊張させ、反面 その時が来たんだと覚悟させた。
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