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「4年前の1月3日…
その日は新年明けたばかりでみんなで家にいた、もちろん彼女も。
だけど、そこでちょっとした事がきっかけで親と言い合いになったんだよ、弱い癖に酒なんて飲んだからかもしれないけど、いつもより激しい口論になって遂には家を飛び出してた…」
そこで言葉を一度切った杉浦さんは、僅かに震える手で顔を覆った。
「彼女が、そんな俺を心配して後を追って来てくれたんだよ。
でもあの時、彼女の逃げるなって言葉が煩わしく感じて…止める その手を振り払ったのをよく覚えてる、彼女もしばらく粘って追って来てたけど。あまりにも俺が酷い態度を取るから、そのうち諦めて来た道を戻って行った。
その後…彼女にあんな事が起こるなんて少しも思って無かった俺は、そのまま色々な店を転々として浴びるように酒を飲んでた…
彼女の身に何が起きたのか知ったのは、次の日…路上で寝てた俺を見つけてくれた輝彦さんからだった。」
え? っと顔を上げたけど、杉浦さんは以前顔を手で覆ったままで…
その為、聞きたい事が色々あったけど、今は真実を語る杉浦さんの邪魔はしたくないと、黙ってまた耳を傾けた…
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