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「あの日、雪が凄く降ってたんだよ…
俺と離れたすぐ後に彼女はスリップした車にひかれた」
『え!?』
「ひき逃げだった。 放置された彼女が発見されたのは、次の日の朝方…俺が飲んだくれてた時。
すぐに処置されていれば助かったかもしれない彼女は、誰もいない冷たい雪の上で…1人亡くなった。
それが俺と彼女の間に起きた真実」
話し始めた時とはまるで違う口調で淡々とそう呟きスッと顔を上げる杉浦さんの顔を見た瞬間 ザワザワと心が騒ぎ出した…
だって信じられないぐらい無表情で、まるで初めて会ったあの時のような…冷たい瞳を向けていたから。
何か言葉をかけなきゃと思うのに口からは何も滑り落ちてこない、だけど杉浦さんがフッと諦めたように笑うのが見え、思わず体が動き杉浦さんを抱きしめた…
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