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『杉浦さん…ごめんなさいっ
ちゃんと言葉をかけたいのに上手く言えなくて』
力いっぱい抱きしめる私に杉浦さんは小さく息を吐き頭を撫でる…
「大丈夫…そんな事求めてないよ、それに朝比奈に話さなきゃいけない事はここからが本題だから」
『え?』
弾かれたように上げた視線の先に気まずそうに笑う杉浦さんの顔が映る…
ここからが本題?
てっきり今のがそうなのかと思ってたけれど…
「今のが1番深い部分ではあったけど、もう1つ…彼女が誰で俺が誰かって事を話さなきゃいけない、
そこを避けてたのには訳があって…。 朝比奈の辛そうな顔見れば、否が応でも俺は自分を責めると分かっていたから。
でももう逃げない…だから聞いて欲しい」
真っ直ぐ私を見つめる杉浦さんの瞳には決意が伺えた、だけどその表情は依然冷たいままで、感情からはそれ以外読み取る事は出来ない…
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